不完全情報ゲームは、見えない部分があるゲームと言い換えてもいいでしょう。
相手の手牌や、山に積まれている牌は見えません。
対義語は完全情報ゲームで、囲碁や将棋などが当てはまります。
囲碁や将棋の場合は盤面はプレイヤーにすべて開示されています。
麻雀はその不完全性により、読みの技術も不完全なものとなります。
非現実的ではありますが、天才的な読みで、相手の手牌が上の13枚であると読めたとしましょう。
この1シャンテンがメンゼンでテンパイしたとき、その待ちを読み切ることは理論上不可能です。
この手牌がテンパイするのは、123456p123456789sのどれかを引いた時ですが、何を引いたかによって待ちは全く異なります。
1p引き:カン2p
2p引き:14p
3p258s引き:引いた牌と6pのシャボ
4p引き:25p
5p引き:カン4p
6p引き:3pタンキか258sノベタン
14s引き:369s
7s引き:69s
3s引き:14s
69s引き:147s
と、10種類以上の待ちのうちどれかになります。
しかし、相手からは
3p切り
ソーズ(258s)切り
のどちらかであるという情報しかわかりません。
入り目が何であるかわからない以上、リーチの待ちを1点で読むことは不可能なのです。
自称上級者が「リーチの待ちを一点で読める」なんて言うことがあるかもしれませんが、ハッタリです。
山読みというのも、山に残っていそうな牌を高確率で推測するという技術です。
一発ツモにタイミングを合わせてリーチできるというわけではありません。
麻雀における読みとは、見えている部分の情報から見えない部分を推測する技術のことです。
といった具合です。
しかし、すでに書いたように、完全に読み切ることができないのが麻雀のゲーム性です。
それでも、全く読まないよりはマシです。
そういうつもりで読みを入れられる場所に適宜読みを入れていくのがいいでしょう。
読みについての具体的な内容は、第7章で紹介します。