鳴きについて

メリットとデメリット


「鳴き」は、副露(フーロ)ともいいます。

ポン、チー、明カンのことです。

まずは出現頻度の高いポンとチーについて確認しましょう。

 

ポンは手牌のトイツと他家の捨て牌を合わせて1メンツを完成させ、開示する行為です。

チーは手牌のターツと上家の捨て牌を合わせて1メンツを完成させ、開示する行為です。

 

メリット

鳴きのメリットは、なんといっても他家の捨て牌を利用できることです。

自分のツモ以外にも手を進める手段があるので、メンゼンの場合と比べて手牌進行の速度を上げることができます。

 

特に、完成が難しい愚形部分をメンツにできれば、アガリ率が格段に上がります。

 

また、これはリーチとの比較なのですが

  • リーチ後はオリられない
  • 鳴き手は危険牌を切らずにオリる選択ができる

という点も鳴きのメリットです。

危険牌を切らない間だけの有利な区間だけアガリ抽選を受けることができます。

デメリット

鳴くことのデメリットとして、

  • 相手に読まれやすい
  • 守備力の低下
  • 打点低下

が挙げられます。

 

鳴くと完成メンツが見えます。

メンゼンなら見えない部分が見えているわけですから、他家に多くの情報を与えていることになり、他家に手役、打点、待ちが読まれやすくなってしまいます。

 

また、

  • 455pに6pをツモり、5p切り

このとき他家からは5pを切ったという情報しか見えません。

しかし、

  • 455pから6pをチーして5p切り

鳴きの場合は455pの部分をメンツにして5pが不要になったという情報が全て他家にもわかります。

これも同じく手牌が読まれやすくなる理由です。

 

また、副露メンツは河に切ることはできませんから、役牌暗刻の手牌と役牌をポンした手牌では守備力が大きく異なります。

放銃を避けようとする際、役牌暗刻の手は安全牌が尽きたら役牌を3枚切ってオリることができますが、役牌ポンの手牌ではそれができません。

 

鳴いた手牌では切ることができる牌の数が少なくなるために、選択肢が狭まります。

その結果として、放銃してしまうことも多くなるでしょう。

鳴くと守備力が下がるといえます。

 

 

そして、鳴くとリーチができないということや、鳴くと消える役安くなる役があることも忘れてはいけません。

 

リーチの強さは打点向上です。

リーチの1ハンに加え、一発裏ドラで高打点となることがあります。

しかし、鳴くとこれらの加点はできません。

 

また、メンゼンツモ、ピンフ、一盃口などはメンゼン限定の役ですから、鳴くとつきません。

三色同順や一気通貫はメンゼンだと2ハンですが鳴くと1ハンです。

 

したがって、鳴くと打点が安くなるといえます。

鳴くかどうかの判断

ここまで鳴きのメリットとデメリットを列挙しました。

実戦では、メリットとデメリットを比較したうえで鳴くかどうかを判断します。

例えば東1局親番の配牌でこの牌姿。

ドラはなし。

北切った後白をポンするかどうかを考えます。

メリット

  • 鳴くと役が確定する
  • 白は残り2枚(鳴かなければ残り1枚)で、手牌の中でも特に完成させるのが難しい部分である。ポンしてこの部分を完成させることはアガリ率を大きく上昇させる

 

デメリット

  • 鳴くと残りの牌は中張牌(2~8の数牌)だけであり、守備力が低い
  • 鳴くと安くなる(2900)

結論としては、白はポンします。

メリットは大きく、デメリットがそこまで大きくないからです。

 

この手で白をスルーしてメンゼンテンパイを目指す場合と、白をポンしてそれ以降も鳴きが使える場合ではテンパイ確率と、その後のアガリ率がかなり違うでしょう。

ポンのメリットは大きいと考えます。

当然ですが白を鳴いても役はあります。

 

守備力低下についてですが、序盤は他家がテンパイしている可能性は低く、守備意識の重要性は低いです。

そのため、安全牌候補が少ないことはそこまでの損にはなりません。

 

また打点についてですが、メンゼンテンパイしたところで白が雀頭になる可能性は高く、それではリーチドラ1の3900(親)です。

ピンフなどの他の手役はおそらく付かないので、打点は白ドラ1の2900と大差ありません。

 

リーチにはメンゼンツモや一発裏ドラがあるので3900よりも高くなることはありますが、そのことを考慮してもメリットの方が大きいと考え、ポンします。

カン

カンをするとドラが1種増えるため、副露の中でも異質です。
ドラは卓内の全員が使うことができますので、自分のカンのせいで他の人が高打点のアガリをすることがあります。
自分が高打点をアガれることもあるので、ドラが増えることはメリットとデメリットを内包しているといえます。

このことを考慮すると、自分のアガリ率が高く、相対的に相手のアガリ率が低い状況ではカンすべきですし、反対に自分のアガリ率が低く相手のアガリ率が高い状況ではカンは損となります。
自分が良形テンパイしている状況は自身のアガリ率が高いためカンするが、相手がテンパイ濃厚なのに対し自身の手がバラバラなときは相手のアガリ率が高いためカンしないといった感じです。

また、カンすると刻子のときよりも符が増えます。
これにより、ハン数は増えずとも打点上昇する事があります。
特に19字牌のアンカンは32符でほぼ1ハンの価値があるため、カンの価値は高くなります。


これで第1章は終わりです。

お疲れさまでした。

これまでは麻雀に対する考え方についての内容でしたが、次章からは実戦的な内容になります。